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2026.06.27
ショットブラスト, バリ取り
ブラストでバリ取りはどこまで可能?向いている形状を決める3つの条件
「ブラストでバリ取りを自動化したいが、自社の部品形状で本当にうまくいくのか?」
「パイプ形状やリブが多い複雑な部品に使えるのか確認したい」設計や生産技術の現場で、そう感じたことはありませんか?
実は、ブラストによるバリ取りの成否は「形状」と「バリの状態」によって決まります。この条件を把握せずに導入すると、バリが残ったまま出荷したり、逆に削りすぎて寸法不良が発生するリスクがあります。
この記事では、ブラストが得意な形状・苦手な形状の具体的な基準と、矢内製作所が行う対応方針をご紹介します。自社製品がブラストに適しているかどうかの判断基準を、ぜひ最後までご確認ください。
ブラストでバリ取りはどこまで可能?知っておきたい3つの限界

ブラストは多くの現場で有効なバリ取り手段ですが、万能ではありません。導入前に「3つの限界」を理解しておくことで、不良リスクを回避した工法選定が可能です。
【直進性の限界】
投射材(メディア)は直線的に飛ぶ性質があります。部品の裏側や凹部の奥など、投射材が直接当たらない「死角」にはバリが残ります。複雑な形状や奥まった箇所を持つ部品では、この点を事前に確認することが重要です。【投射力の限界】
ダイカスト製品のパーティングラインに発生するような、厚みのあるバリ(フラッシュ)はブラストの衝撃だけでは除去できません。トリミングプレスで大枠を除去してから仕上げにブラストを使う、複合工法の検討が必要です。【精度の限界】
投射時間が長すぎると、エッジが丸くなる「角ダレ」が生じ、寸法精度に影響します。公差が厳しい箇所を持つ部品では、メディアの材質(アルミ・ステンレス・鉄)と投射条件の調整が不可欠です。※ショットブラストに関する詳しい解説は、『ショットブラストとは?基本原理から効果・メリットまで解説』の記事でもご覧いただけます。
【形状・サイズ別】ブラストの向き不向きと具体的な対応事例

ブラストの適否は部品の形状とサイズによって大きく変わります。代表的な形状ごとの特性と、矢内製作所の設備で対応できるサイズ目安を解説します。
平面・外周(ブラケット・アングル等)は最も得意
平面主体やL字・U字断面のアングル、ブラケットなど外周にバリが発生する形状は、ブラストが最も得意とするケースです。投射材が表面全体に均一に当たるため、短時間で安定したバリ除去が可能です。量産品であれば一括処理によるコスト削減効果も高くなります。
アルミダイカスト製のブラケット類では、手作業と比較して工数を大幅に削減できた事例が多くあります。外周バリが主体の部品であれば、まずブラストを第一候補として検討することをおすすめします。
パイプ内径や複雑な凹凸形状は工夫が必要
パイプの内径(内側)や深いリブの底面は、投射材が入り込みにくく、ブラスト単体では不十分な仕上がりになる場合があります。仕上がりについては別途ご相談が必要となりますが、角度調整や回転治具を使った対応、または手作業との組み合わせが現実的な選択肢です。
複雑な形状でも、矢内製作所では製品の向きや投射角度を緻密に設計することで、極力死角をなくす加工を行っています。
小サイズは安定しやすく、大サイズは投射条件の設計が重要
部品のサイズもブラストの仕上がりに影響します。小サイズの部品は設備内での位置が安定しやすく、投射材が全面に当たりやすいため、均一な仕上がりを得やすい傾向があります。量産品であれば一括処理による効率化も図りやすくなります。
一方、大サイズの部品は設備の対応寸法内に収める必要があるうえ、部品の向きや投射角度の設計が仕上がりを左右します。矢内製作所のショットブラスト設備は数台ございます。対応可能寸法は投射メディアによって異なるためお気軽にご相談ください。
苦手な形状も高品質に仕上げる矢内製作所の複合対応

ブラストが苦手とする形状でも、複数の工法を組み合わせれば対応できます。矢内製作所では「後工程まで見据えた仕上げ」を前提に、以下の3段階で対応しています。
【工法コンビネーション】
厚みのあるバリには、まずトリミングプレスで大枠を打ち抜き、その後ブラストで仕上げます。この流れにより、ブラスト単体では除去できないバリも効率よく処理できます。※トリミングプレス加工については、『トリミングプレス加工とは?メリット・注意点、他工法との違いを解説』の記事でもご覧いただけます。
【最後は人の手で】
機械の死角に残ったわずかなバリは、熟練スタッフによる手作業で対応します。女性社員によるきめ細かいヤスリ掛けなど、機械では届かない微細な工程をカバーすることで、全数高品質な仕上がりを実現しています。【後工程への配慮】
ブラストは表面を適度に荒らすアンカー効果により、塗装やメッキの密着性を高める効果もあります。グループ企業の表面処理会社との連携により、バリ取り後の工程まで含めた一貫した提案が可能です。まとめ
この記事では、ブラストによるバリ取りの可否基準と形状別の特性を解説しました。
【要点】
・死角のバリは形状確認と工法選定で対応できる
・厚いバリはトリミングプレスとの併用が有効
・メディアと投射条件の選定で寸法精度を守れる
・形状に合った工法を選べば、ほとんどの部品に対応できる
・大サイズは投射条件の設計が仕上がりを左右する
・後工程への影響まで考慮した条件設定が重要ブラストによるバリ取りは、形状・サイズ・バリの状態を把握したうえで工法を選ぶことで、幅広い部品に対応できます。
ご検討の際は、ぜひ矢内製作所にお気軽にご相談ください。





