0270-26-1017

受付時間:8:00~17:00(土日祝除く)

お問合せ

COLUMN

技術コラム

  • 2026.06.27

    ショットブラスト

    ショットブラスト後に錆びる3つの原因と現場でできる4つの対策

    皆様、こんにちは!

    群馬県伊勢崎市で、高品質・低コストのバリ取り加工を行っております矢内製作所と申します!

    「ショットブラストで綺麗にしたはずなのに、すぐに錆が出てしまった…」

    現場でそのようなお声をいただくことがあります。

    実は、ショットブラスト直後の金属表面は「活性状態」と呼ばれる非常に錆びやすい状態になっており、適切な後処理なしでは急速に錆が進行してしまうのです。

    この記事では、ショットブラスト後に錆が発生する3つの技術的な原因と、現場で実践できる5つの具体的な対策をわかりやすく解説します。

    錆以外の変形・寸法変化といった見落としがちな不具合についてもあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

    ※ショットブラストの基本的な仕組みや効果については、『ショットブラストとは?基本原理から効果・メリットまで解説』をご覧ください。

    ショットブラスト後にすぐ錆が発生する3つの技術的理由

    ショットブラスト後の錆は「保管や管理のミス」と思われがちですが、多くは加工の特性そのものに起因しています。

    原因を正しく理解することが、現場での適切な対処につながります。主要な3つの原因を順に確認していきましょう。

    金属表面が「活性状態」になり酸素と結びつきやすいため

    ショットブラストを行うと、表面を覆っていた酸化膜(黒皮)や汚れが削り取られ、金属そのものが直接空気にさらされます。この状態を「活性状態」といい、空気中の酸素や水分と非常に反応しやすい性質があります。

    通常の金属表面と比べて錆の進行が格段に速いため、ブラスト直後の対応が製品品質を大きく左右します。

    投射材(メディア)の種類による「もらい錆」の影響

    鉄製の粒(スチールショット)を使用した場合、加工後の製品表面に目に見えない鉄の微粉末が付着します。この鉄粉が先に酸化し、そこから製品本体へ錆が広がる「もらい錆」が発生します。

    ステンレス製品にスチールメディアを使用する際に特に起きやすく、素材に合ったメディアの選定が錆防止の鍵です。

    表面積の増大による湿気の吸着と保管環境の不備

    ショットブラスト後の金属表面には無数の微細な凹凸が生まれ、処理前より表面積が大幅に増えます。この凹凸が湿気を吸い込みやすい構造を作り出し、空調のない保管場所や湿度の高い環境では数時間以内に表面が変色するケースもあります。

    ブラスト後の品質を守るために、保管環境の管理は欠かせません。

    【フェーズ別】現場で実践できる錆トラブルを防ぐ具体策

    錆トラブルを防ぐには、「発注時に加工業者へ確認・依頼すること」と「製品受け取り後に自社で管理すること」の2つに分けて対策を講じることが重要です。5つのポイントを整理しました。

    【発注時に確認・依頼すること】
    (1) ブラスト直後に防錆油の塗布など、防錆処理を行ってもらえるか依頼する
    (2) 加工後の製品を長時間放置せず、後工程へ迅速に移行してもらえるよう依頼する

    【受け取り後に自社で管理すること】

    (3) 湿度の低い場所で保管し、雨天時や高湿度環境への露出を避ける
    (4) すぐに使用しない場合は気化性防錆紙(VCI)などで密封して保管する

    錆以外に見落としがちなショットブラスト後の2つの不具合

    ショットブラスト後のトラブルは錆だけではありません。「変形」「寸法変化」も現場で起きやすい不具合です。

    板厚の薄い部品や精密部品では、粒が高速で衝突する際の圧縮エネルギーが製品に作用し、反りや曲がりといったひずみが生じることがあります。

    また、同じ箇所に長時間投射したり圧力設定が過剰だったりすると、金属が予想以上に削れて設計寸法を下回るリスクも生まれます。

    これらを防ぐには、加工業者に製品の形状・板厚・精度要件を正確に伝え、適正な投射条件での加工を依頼することが重要です。

    矢内製作所が提案する後工程まで見据えた「理想の仕上げ」

    矢内製作所では、ショットブラストを「錆や汚れを取る処理」としてだけでなく、後工程の品質を最大化するための下地づくりとして位置づけています。

    塗装やメッキの密着性を高めるには、「錆が取れている」だけでなく、表面粗さを後工程に適した状態へ整えることが重要です!

    30年以上の実績から培った投射条件のノウハウをもとに、「変形させない・削りすぎない」適正な加工を実現しています。

    また、ブラスト後の製品が長時間放置されないよう後工程との連携をスムーズに行い、輸送中の錆リスクも最小限に抑えます

    まとめ

    この記事では、ショットブラスト後に錆が発生する原因と対策について解説しました。

    【まとめ】

    ・ブラスト直後の金属は「活性状態」で錆びやすい
    ・鉄製メディアの使用は「もらい錆」の原因になる
    ・表面の凹凸増大により、湿気管理が欠かせない
    ・薄物・精密部品は変形寸法変化に注意が必要
    ・発注時の確認と受け取り後の保管管理が錆防止の基本

    ショットブラストは、正しい知識と適切な後処理があって初めて品質が安定する処理です。

    「錆トラブルを繰り返したくない」「後工程の品質を安定させたい」とお考えの方は、ぜひ矢内製作所にお気軽にご相談ください