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技術コラム

  • 2026.06.12

    バリ取り

    バリ取りの品質は「職人技」で決まる。機械加工との違いも解説

    「機械でのバリ取りでは品質が安定しない」
     「複雑な形状のバリが取りきれない」
     製造現場でこのような課題に直面していませんか。

    実は、これらの問題を解決する鍵が「職人技」にあります。 この記事では、機械では真似できない職人技の本質と、その必要性について詳しく解説します。

    最後までお読みいただき、職人技の重要性をご確認ください。

    バリ取りの「職人技」を構成する3つの要素

    職人技は単なる手作業ではありません。 長年の経験で培われる3つの要素をご紹介します。

    要素1:道具を自在に操る「指先の感覚」

    職人技の根幹は、道具を自在に操る指先の感覚です。 部品の材質やバリの状態に応じて、最適な工具を選択し、適切な力加減で作業を行います。

    アルミダイカスト製品では細かい目のヤスリを軽いタッチで使用し、ステンレス製品では粗い目のヤスリで力を加えるなど材質に応じた使い分けをします。矢内製作所ではきめ細かい手作業により、製品を傷つけることなくバリだけを的確に除去しています。

    この絶妙な感覚は、長年の経験によって培われた職人だけが持つ貴重な技術です。

    要素2:図面にはない微細なバリを見抜く「眼」

    職人が持つ鋭い観察眼は、図面では確認できない微細なバリを発見する重要な能力です。 光の当て方や見る角度を変えることで、ミクロン単位の小さなバリまで見逃しません。

    熟練職人は、目視だけでなく指先でなぞった際のわずかな引っかかりでも仕上がりを判断します。 この触覚による検査は、測定器では検出できない微細な凹凸まで感知でき、最終品質の確保に欠かせません。

    機械では見逃すバリも、職人なら発見・除去できます。

    要素3:製品の使われ方まで見通す「判断力」

    職人技において最も重要なのが、製品の最終的な用途を理解し、適切な仕上げレベルを判断する能力です。 部品がどのような製品に組み込まれ、どう機能するかを把握することで、必要な品質基準を見極めます。

    摺動部(部品同士が滑り合う箇所)や嵌合部(部品同士がはめ合わさる箇所)など機能的に重要な箇所では、わずかなバリも性能に影響するため高い精度が必要です。 一方、内部部品では機能を損なわない範囲での効率的な仕上げが適しています。

    この判断力により、過剰品質を避けながら必要十分な品質を確保できます。

    機械加工との決定的な違いがわかる3つの視点

    機械加工は大量生産や均一性において優れていますが、職人技には機械では実現できない独自の強みがあります。 3つの視点を理解することで、職人技のメリットが明確になります。

    視点1:品質(ミクロン単位の精度と美しい仕上がり)

    職人技の最大の特徴は、機械の設定値を超えるレベルの高品質を実現することです。 機械は予め設定されたプログラム通りに動作するため精度に限界がありますが、職人は状況に応じてより高い精度を追求できます。

    特に表面粗さや寸法精度において、熟練職人はミクロン単位での微調整を行い、機械では達成困難な仕上がりを実現します。 また、機能面だけでなく外観部品としての美しい仕上がりという付加価値も提供でき、高級製品での重要な役割も果たしています。

    視点2:対応領域(複雑な形状やデリケートな材質)

    職人技が機械加工と大きく異なるのは、複雑な形状やデリケートな材質への対応力です。 機械の工具が物理的に届かない部品の内部、細い溝、交差穴などの箇所では、職人による手作業が唯一の解決策になる場合も少なくありません。

    アルミのような柔らかい材質では、機械加工時の切削力や振動によって変形やキズのリスクがあります。 職人なら適切な工具選択と力加減により、これらの問題を回避できます。

    トリミングプレスやバレル研磨では対応できないバリも、当社矢内製作所の熟練職人なら確実に除去することができます。

    ※トリミングプレス加工の詳しい解説は、『トリミングプレス加工とは?メリット・注意点、他工法との違いを解説』、バレル研磨は『バレル研磨が幅広い材質に対応できる3つの秘密とは?』をご覧ください。

    視点3:柔軟性(少量多品種への対応力)

    職人技の大きな優位性は、少量多品種の生産に対する柔軟で迅速な対応力です。 機械加工では、プログラミングや治具製作の準備が必要になるため、少量生産では経済性が悪化してしまいます。

    一方、職人による手作業は試作品1個からでも即座に対応できます。製品仕様の変更や追加要求にもその場で柔軟に対応でき、顧客のニーズに細かく応えることが可能です。

    この対応力が職人技の大きなメリットです。

    職人技でしか解決できない難しい加工の例

    職人技が必要な具体的な3つのケースをご紹介します。

    【ケース1】キズひとつ許されないアルミダイカスト製品
    ・アルミダイカストは傷つきやすく、機械加工ではキズが付くリスクがあります。
    ・矢内製作所では女性職人によるきめ細かい技術も評価されています。

    【ケース2】内部にバリが残存しやすい交差穴
    ・部品内部の穴同士が交差する箇所のバリは機械的な処理では限界があります 。
    特殊な手工具と熟練技術が必要な領域です。

    【ケース3】高い信頼性が求められる精密部品
    医療・航空宇宙分野では、バリの脱落が重大な不具合につながるため、職人による確実な除去が求められることが多いです。

    このように機械加工では対応困難なケースで職人技が求められています。

    まとめ

    この記事では、バリ取りにおける職人技の重要性について以下の点を解説しました。
    「指先の感覚」「観察眼」「判断力」の専門技術
    機械では実現不可能なミクロン単位の精度と美しい仕上がり
    複雑形状やデリケートな材料に対応
    少量多品種生産での柔軟性
    難加工ケースでは職人技が不可欠

    高品質なバリ取りを実現するためには、機械加工だけでなく職人技の価値を正しく理解することが重要です。

    製品品質の向上や複雑な加工にお困りの際は、熟練の職人技を持つ当社矢内製作所にお気軽にご相談ください。