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技術コラム

  • 2025.12.18

    トリミングプレス加工とは?メリット・注意点、他工法との違いを解説

    みなさま、こんにちは群馬県伊勢崎にあります有限会社矢内製作所です。

    今回は「トリミングプレス」加工についてお伝えしていきます。

    それでは見ていきましょう!!

    「手作業でのバリ取りは、コストや時間がかさむ上に、品質が安定しにくい…」

    製造業の現場では、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

    この記事では、そうした課題を解決する「トリミングプレス加工」について、その基礎知識からメリット・注意点、さらに他の加工方法との違いまでを分かりやすく解説します。

    最後までお読みいただき、自社に最適なバリ取り方法をご検討ください。

    トリミングプレス加工とは?基本とメリット・注意点

    バリ取り工程の効率化を検討されている方にとって、トリミングプレス加工は有力な選択肢の一つです。 ここでは、その基本的な仕組みから導入時のメリット・注意点まで、現場での判断に役立つ情報を解説していきます。

    仕組みは金属用の「クッキー型」|金型でバリを打ち抜く加工法

    トリミングプレス加工とは、製品からはみ出た不要な部分(バリ)を、専用の金型を使ってプレス機で物理的に打ち抜いて除去する加工方法です。

    例えるなら、製品の形に合わせた特殊な「クッキーの型抜き」で、余分な生地(バリ)をキレイに取り除くイメージです。

    【具体的な加工手順】
    ・製品(ワーク)を専用の金型にセットする
    ・プレス機で上から力を加える
    ・金型の刃が製品のフチに沿ってバリを剪断・除去する

    この機械的な切断により、手作業では難しい正確で一貫した仕上がりを実現できます。

    主な対象はアルミダイカスト|量産品で真価を発揮

    トリミングプレス加工は、同じ形状の製品を大量に生産する「量産品」で最もその効果を発揮します。特に、アルミダイカストや亜鉛ダイカスト製品のバリ取りに広く用いられています。

    この加工方法が量産に適している理由は、一度金型を製作すれば何千、何万個という同一製品を効率的に処理できるためです。

    金型の製作には初期費用がかかりますが、大量生産においては、他のどの方法よりもコストと品質の面で大きなメリットがあります。

    ここからは、この工法のメリットと注意点を解説します。

    【メリット1】圧倒的な加工スピードで量産に対応

    トリミングプレスの最大の特徴は、1回あたりの加工時間(サイクルタイム)が非常に短いことです。

    手作業では数分かかるような製品でも、わずか数秒で完了します。

    この圧倒的なスピードにより、厳しい納期や大量生産の要求にも柔軟に対応できます。

    【メリット2】作業者に依存しない安定した品質

    手作業によるバリ取りは、作業者の熟練度やその日の体調によって、どうしても品質にバラつきが生じがちです。

    一方、トリミングプレスは金型を使って機械的にバリを除去するため、誰が作業しても常に同じ形状・品質の製品を安定して生産できます。

    品質の安定性は顧客満足度向上に直結する重要な要素です。

    【注意点1】金型製作に初期費用と時間が必要

    トリミングプレスを導入する上で最も大きな注意点が、製品専用の金型を製作する必要があることです。

    金型は高精度な加工が求められるため、製作には一定の費用と時間がかかります。そのため、導入前には金型費用を含めたトータルコストを慎重に検討する必要があります。

    具体的な費用や製作期間については、製品の形状や材質によって大きく異なるため、ご検討の際は、当社にお気軽にご相談ください。

    【注意点2】少量多品種の生産には不向き

    金型製作に初期費用がかかるため、生産数が少ない製品(数十〜数百個程度)の場合、かえって割高になってしまいます。

    そのため、試作品や少量多品種の生産には向いていません

    このような場合は、手作業による加工など、初期費用のかからない他の加工方法を検討した方が経済的です。

    他のバリ取り方法との比較

    バリ取りにはトリミングプレス以外にも様々な方法があり、製品の特性や生産条件によって使い分けられています。

    ここでは代表的な工法の特徴をあげますので、製品に最適な方法を選択するための判断材料にしてください。

    【手作業】複雑な形状や少量品向け

    手作業によるバリ取りは、機械では届かない細かな部分や複雑な形状の製品に適しています。

    試作品や少量生産品では、金型製作費がかからないため最も経済的な方法です。

    ただし、品質が作業者のスキルに依存します。

    【ショットブラスト】広範囲のバリ取りと表面処理向け

    ショットブラストは、小さな金属粒を高速で製品表面に投射し、バリ取りと表面処理を同時に行う方法です。

    複雑な形状の製品でも投射材が隅々まで行き渡るため、均一なバリ取りが可能です。

    ただし、薄板製品では変形の可能性があり、投射材選択と条件調整が品質を左右します。

    ※詳しい解説は、『ショットブラストとは?基本原理から効果・メリットまで専門家が解説』をご覧ください。

    【バレル研磨】小物部品の大量処理向け

    バレル研磨は、研磨石などが入った樽(バレル)に製品を投入し、回転・振動させることで全体のバリを取る方法です。

    ネジや小さな金属部品など、小物部品の大量処理に適しており、一度に多数の製品を処理できます。

    ただし、大きなバリの除去には不向きです。

    また、製品同士がぶつかり合うため、精密な仕上げを要求される製品には向いていません

    ※詳しい解説は、『バレル研磨が幅広い材質に対応できる3つの秘密とは?』をご覧ください。

    各工法の使い分けのポイント

    製品に最適なバリ取り方法を選択するには、生産数量、製品の形状・材質、求められる品質レベルを総合的に判断することが重要です。

    【工法選択の目安】
    大量生産・品質安定重視:トリミングプレス
    少量多品種・複雑形状:手作業
    広範囲のバリ取りと表面処理:ショットブラスト
    小物部品の大量処理:バレル研磨

    迷った場合は、経験豊富な専門業者に相談し、製品の特性に応じた最適な提案を受けることをおすすめします。

    まとめ

    この記事では、トリミングプレス加工について以下の点を解説しました。

    専用金型を使ってバリを打ち抜く効率的な加工方法
    圧倒的なスピードと安定した品質で量産に最適
    金型製作の初期費用がかかるため、生産計画に合わせた検討が必要

    トリミングプレス加工は、量産品の品質安定化とコスト削減を実現する強力な手法です。

    ご検討の際は、ぜひ(有)矢内製作所にお気軽にご相談ください。