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技術コラム

  • 2025.11.09

    カテゴリー3

    ショットブラストとは?基本原理から効果・メリットまで解説

    皆さま、こんにちは。群馬県伊勢崎市にあります有限会社矢内製作所です。

    今回は「ショットブラスト」についてお伝えしていきます。

    製品の表面処理技術は、品質向上とコスト効率化の両立を実現する重要な要素です。中でも「ショットブラスト」は、バリ取りから塗装下地処理まで幅広い効果を一度に得られる優れた加工方法として広く認められています。

    この記事では、ショットブラストの仕組みとメリット、効果的な活用方法について、基本原理から他の処理方法との違いまでを分かりやすく解説します。

    最後までお読みいただき、自社製品に最適な表面処理方法をご検討ください。

    ショットブラストとは?加工の基本原理を解説

    ショットブラストとは、小さな金属粒を高速で製品表面に投射し、表面処理を行う加工方法です。 具体的には、羽根車(インペラ)と呼ばれる回転する装置が高速回転することで生まれる遠心力を利用し、投射材を勢いよく対象物にぶつけます。

    この投射により、製品表面の汚れやサビ、バリなどを効率的に除去できるほか、表面に微細な凹凸を作ることで塗装の密着性を向上させることも可能です。

    投射に使用する粒は「投射材」「メディア」「ショットビーズ」「研磨材」など様々な呼び方があり、材質や大きさによって加工効果が変わります。

    アルミダイカスト製品では、アルミ製やステンレス製の投射材が主に使われ、製品の材質や求める仕上がりに応じて最適なものを選択します。投射条件を調整することで、同じ投射材でも異なる仕上がりを実現できる点が、ショットブラストの大きな特徴です。

    ショットブラストで得られる4つの効果・メリット

    ショットブラストは単なるバリ取りにとどまらず、製品の品質向上に寄与する多面的な効果を持っています。ここでは、製造現場で特に重要視される4つの効果について解説します。

    1. バリ取りと表面のクリーニング
    ショットブラストの最も基本的な効果が、製造過程で発生するバリや表面の汚れを除去することです。特にアルミダイカスト製品では、成形時に発生する細かくもろいバリを効率的に取り除くことが出来ます。

    従来の手作業では時間がかかっていた複雑な形状の製品でも、投射材が隅々まで行き渡るため、均一なバリ取りが可能です。

    2. 塗装の密着性向上(下地処理)
    表面に微細な凹凸を作ることで、塗料がしっかりと表面に食いつく土台を形成します。この現象を「アンカー効果」と呼び、塗料が表面の凹凸に引っかかることで密着力が高まります。

    この効果により、塗装の剥がれを防ぎ、製品の耐久性を向上させることが可能です。特に屋外で使用される製品や、厳しい環境下で使われる部品において効果的です。

    3. デザイン性の向上(梨地加工)
    表面に均一でツヤのない「梨地(なしじ)」と呼ばれるマットな質感を与えることが可能です。

    この仕上がりは、製品に高級感や独特の風合いをもたせ、デザイン性を高めます。光の反射を抑えるため、眩しさを軽減したい製品にも適用されています。

    4. 副次的な強度改善(ピーニング効果)
    投射材が金属表面に高速で衝突すると、表層が微細に塑性変形し、圧縮残留応力が発生することがあります。これにより疲労強度や耐久性が改善される場合があります。(ピーニング効果)

    ショットブラストは本来、バリ取り、下地処理が目的ですが、副次的にピーニング効果が得られる場合があります。

    サンドブラストとの違いとは?

    ショットブラストと混同されやすいのが「サンドブラスト」です。どちらも表面に粒子を投射する加工方法ですが、投射方式や得意とする加工内容に明確な違いがあります。

    【投射方式の違い】
    サンドブラストは圧縮空気の力でガラスビーズやアルミナ砂などの研磨材を吹き付けるのに対し、ショットブラストは羽根車(インペラ)の遠心力で金属粒を投げつけます。

    この違いにより、ショットブラストの方が一般的にパワーが強く、効率的な加工が可能です。

    【得意な加工と用途の違い】
    ショットブラストは高い投射力により、バリ取りや大面積の下地処理、大量生産に適しています。

    一方、サンドブラストは比較的穏やかな加工で、精密な作業や部分的な処理に向いています。

    また、ショットブラストで使用する金属粒は繰り返し使えるため、環境負荷が少なく、ランニングコストも抑えられるメリットもあります。

    ショットブラスト加工で注意すべきポイント

    ショットブラストには多くのメリットがある一方で、加工前に把握しておくべき注意点も存在します。

    【薄板製品への影響】
    薄い板材の場合、投射材が当たる衝撃で製品が変形する可能性があります。精密な寸法が求められる薄板部品では、加工条件の慎重な調整が必要です。

    【複雑形状の制約】
    細いパイプの内側や奥まった複雑な形状の部分には投射材が届きにくく、手作業での仕上げが必要な場合があります。

    【寸法精度への配慮】
    表面をわずかに削る加工のため、ミクロン単位の厳しい精度が求められる部品には注意が必要です。

    高品質なショットブラスト加工を実現する矢内製作所の強み

    矢内製作所では、3台のショットブラスト設備を活用し、アルミダイカスト製品に最適化された加工サービスを提供しています。

    ここでは、高品質な仕上がりを実現する3つの強みをご紹介します。

    【強み1. アルミダイカストに最適化された投射材の使い分け】
    アルミ製投射材(直径0.8mm)を2台、ステンレス製投射材(直径0.5mm)を1台で使い分けています。アルミ製品に鉄の粒を使うと鉄成分が付着してサビの原因となるため、材料特性に応じた投射材選択により、製品価値を損なうことなく最適な加工が可能です。

    【強み2. 製品に応じた投射条件の細かな調整技術】
    同じ投射材でも、投射条件によって仕上がりは大きく変わります。アルミダイカスト製品の形状やサイズに合わせて投射条件を細かく設定し、求める品質を実現する技術力を持っています。

    【強み3. 他のバリ取り工法との使い分けや組み合わせ】
    当社ではショットブラスト以外にも、製品に応じたバリ取り工法の用意があります。

    トリミングプレス加工:金型を使った大量生産向けの高速バリ取り
    バレル研磨:小物部品の均一な仕上がりに適した研磨技術
    手作業:複雑形状や精密部品への対応

    ※詳細解説記事
    『トリミングプレス加工とは?メリット・注意点、他工法との違いを解説 』
    『バレル研磨が幅広い材質に対応できる3つの秘密とは? 』

    まとめ

    この記事では、ショットブラストについて以下の点を解説しました。

    羽根車の遠心力で金属粒を投射し、バリ取りや塗装下地など4つの効果を発揮
    サンドブラストより投射力が高く、大量生産に適している
    ・薄板製品の変形や寸法精度への注意が必要
    投射材選択と条件調整が品質向上のポイント
    ・矢内製作所では技術力と手作業で総合的な品質を提供 アルミダイカスト製品の表面処理をご検討の際は、ぜひ(有)矢内製作所にお気軽にご相談ください。